不老不死、いつまでも若々しくいたい、
という夢は人間の永遠の願望です。
老化は病気である
老化は病気であるならば治療できるのではないか、それを叶えるかも知れない物質で今世界的に注目されているのが、NMN(Nicotinamide MonoNucleotide、ニコチンアミドモノヌクレオチド)です。
老化とは
DNAが酸化ストレスにさらされて損傷を受けることであり、この損傷を修復するために、細胞はNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という特別な分子を必要とします。
しかし、加齢によるストレスなどの理由で、この酸化的核ダメージが増え、NAD+を使う酵素が活発になり、NAD+の量が減少してしまいます。
つまり歳を重ねるとNAD+の消耗とサーチュイン遺伝子活性の喪失が起きます。
サーチュイン遺伝子
サーチュイン遺伝子は、細胞の代謝調節と寿命に関与する重要な遺伝子群です。これらの遺伝子は、NAD+分子を使って働き、細胞内のさまざまなプロセスを制御します。サーチュイン遺伝子は、エネルギー代謝、DNA修復、細胞のストレス応答など、細胞の健康を維持するために重要な役割を果たします。
特に、サーチュイン遺伝子の活性化は、細胞の老化プロセスを遅らせ、寿命を延ばす可能性があるとされています。このため、サーチュイン遺伝子は長寿や健康維持に関心が高い研究の対象となっています。
加齢によるNAD+の減少=老化
NAD+は年齢とともに減少することが知られており、50代以降は20代の時の半分以下となることがわかっています。NAD+は母乳や野菜(例: 枝豆やブロッコリー、アボカド)にも自然に含まれていますが、NMNは1日あたり成人男性で100mgから300mg、成人女性の場合は250mgが必要とされており、食品から摂取しようとすると、ブロッコリー4,000房、アボカド600個、枝豆20,000個がそれぞれ必要になるため、現実的な摂取方法とは言えません。
NMNがなぜ必要か
NMNを摂取すると、体内でNAD+に変換され、酵素サーチュインの活性化など、長寿遺伝子に関連した効果があるとされています。マウスの実験では、高脂肪食による耐糖性の改善、老化に伴うミトコンドリアの機能低下の改善、虚血再灌流における梗塞巣の減少などが報告され、長期摂取によって神経幹細胞の減少も抑制される可能性が示唆されています。
臨床試験によれば、NMNの投与が骨格筋のインスリン感受性を改善するなど、ヒトにも代謝効果があることが示されています。
さらに、東京大学の研究によれば、高齢者がNMNを摂取すると、筋力低下の予防に効果があり、聴力の改善傾向も見られることが明らかになっています。これらの研究結果から、NMNは健康維持や老化の予防に有望な成分として注目されています。
そこで、NAD+の前駆体であるNRやNMNといった栄養素を食事から摂取することで、酸化的核ダメージの修復を助け、細胞の健康を維持することが考えられます。これにより、老化や疾患の予防に役立つかもしれません。
また、NMNサプリメントを摂取することによる明らかな副作用などは今のところ報告されておりません。